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PRINCIPALITY OF ZEON MASS PRODUCTIVE MOBILE SUIT
ジオン公国のMS技術は連邦を10年上回るとさえ言われたが、RXタイプMSの登場によって、その戦局は少しずつくつ返されていった。殊にジオンに驚異を与えたのは巡洋艦の主砲クラスのビーム砲を、モビルスーツが標準装備化していた事である。
MS-06を継承する第2期主力MSは、ジオン国内で設計がすすめられたが、宇宙戦での急場しのぎには、MS-09の改造型、 MS-R09通称リックドムが採用された。競争者であったMS-06R2は、結局のところ総合性能にやぶれたが、主力MSとして開発中だったMS-11の基本は、このMS-06R2から得たデータによる物だったのである。
さてMS-11の目差す性能とはどんなものであったか。連邦軍のRXタイプに見る機能を踏襲する所が実に大きい物であった。第一の目標は、ビーム兵器の標準装備化であった。これにはさすがのジオン公国も多大な時間を奪われており、機体完成より約3カ月も遅れている。ビーム兵器実用化(MS用)の見通しが立った時点で、ジオンのモビルスーツコンセプトは完全に連邦化する。ここで競争相手として現われた白兵戦用MS-15(仮ナンバー)と比較して形状こそジオン公国と判断できるものの、運用はほぼガンダムタイプと同じであった。
第2の特徴は、装甲の分離構想で、第2期以降のMS戦がより白兵戦化してゆくのがわかる。MS-11は他の宇宙戦用特殊MSにナンバーを移すため、MS-14と名称を変更された。と同時に計画が進められたのは、ニュータイプパイロットの明確化に伴う、エース部隊の編成があった。これも実に連邦の実例に負う所が大きいが、少数精鋭によって敵MS部隊を撃破する構想はまもなく具現化された。
MS-14の初期生産型24機にはパイロットに応じたチューニングが施され、増速用ブースターと、ビームキャノンパックが用意された。ここにはビームキャノン装備機としてメインカメラも改造したMS-14Cと呼ばれる物である。しかしながら先例としてシャア・アズナブル大佐に渡ったYMS-14からわずかの時間の出来事であったため、決戦に備えて待機していたパイロット達は、ア・バオア・クーの攻防ですぐに戦闘に入らねばならなかったのは実に惜しい事であった。決戦に対して集められたパイロットは古参も含めて31名を数え、その中にはライデン少佐、トーマス・クルツ中尉、J・サカイ大尉もいた。
MS-14はMS-15を退ぞけて正式機として採用されたが、宇宙空間戦だけでなく、地上戦も考慮して作られていた。そのため大気圏内の機動性を考えて両腕にはジェットエンジン(補助推進機)を備えていた。また一部部隊にのみ用意されたMS-14Cも同様に地上戦に使う予定も存在していたのである。
結局のところビームキャノンを装備したゲルググは15機にとどまり、総生産機738機中、それ以後に122機分が用意されつつあったにも関らず、終戦を迎えるに至った。その裏づけとなるMS-14Cの性能はすこぶる良好で、最大兵装時には360ミリロケット砲2機を持つ事も可能であった。その事からCタイプには一般用の生産も見込まれたが、時すでに遅かったのである。MS-14Cの塗装は初期生産型24機中で、特殊部隊に配備された物が正式塗装で、全体的にザクを継承するグリーンでまとめられていた。
[MSV 組立説明書より引用]
HGUC #076
ゲルググ / ゲルググキャノン
(C)=クレオス Mr.カラー
(G)=ガイアカラー